ハイスクールラブ

目を覚ますと、紘季の寝顔がそこにあった。
それはやすらかで、天使のような寝顔だった。
真奈美は紘季の手をそっと取り、両手で優しく包み込んだ。

「ん・・・」

紘季が体を動かし、目を覚ました。

「ごめん、起こしちゃった・・・。まだ朝じゃないから寝てて大丈夫だよ」
「・・・夢、見てた・・・」
「夢?」
「うん・・・ハルが出てきた気がする・・・」

紘季は目を瞑りながら呟いたあと、そっと目を開いた。

「土下座が効いたかな」

そう言って笑った。

「きっとそうだよ。渾身の土下座だったんだもん」

真奈美が冗談めかして答えた。
紘季がじっと真奈美を見つめた。

「信じないかもしれないけど・・・」

体を横に向けて、肘をついて頭を支える。

「生徒だってわかって、ショックだったんだよなぁ・・・。もう一度会いたいと思う子なんて、それまでいなかったから」

真奈美は嬉しさでうまく言葉が出てこず、照れて、そうなんだ・・・とだけ言った。

「I Am the Walrus 歌い出したからかなぁ。すごい印象に残って・・・」
「あの曲、春人さんが好きだったの?」
「高校の時の下校の音楽が、何故かI Am the Walrus だったんだよなぁ。変な歌だなーって言いながら、良く一緒に歌った」
「goo goo g'joob!!・・・だもんね。私も最初は変な歌だなーって思った」

そう言って、どちらからともなく歌い始める。

I am he
As you are he
As you are me・・・


I am the eggman
they are the eggman
I am the walrus・・・



「goo goo g'joob!!」

見つめあって微笑んだ。
紘季が笑っている。
この笑顔のために頑張ってきた。
そして、これからも・・・。