真奈美はくみこの母を見つめた。
くみこの母は、自分の話を聞こうとしてくれている。真奈美は確信して口を開いた。
「藤代紘季先生です」
くみこの母は、やはりと言った風に頷いた。
「そうね。あなたも、紘季くんに教えてもらってるんだものね・・・」
くみこの母は急に表情を曇らせて春人の写真に目を移した。
何枚かページをめくる。
春人と紘季が二人で移っている写真がそこにあった。
二人とも笑顔でこちらを向いている。紘季の屈託のない笑顔に、真奈美は心が痛くなった。
「私・・・春人さんはきっと悲しむと思うんです」
思い切って真奈美は切り出した。手をぎゅっと握る。
「え・・・?」
くみこの母が顔を上げて真奈美を見つめた。
「今の藤代先生を見たら、きっと悲しむと思います。春人さんは、苦しみながら生きている先生を見て喜ぶような人じゃないって思うんです」
くみこの母の眼差しが、途端に力を帯びた気がして、真奈美はドキっとした。
「すみません・・・良く知りもしない私がこんなこと言って・・・」
戸惑ったが、ここでやめるわけにはいかない。目を瞑って言葉を探す。真奈美は言いたいことがまとまらず、もどかしかった。そっと目を開く。
「・・・私、最初は先生のためにここに来ようって思いました。辻村さん家族に、わかってもらいたいと思ってました。でも、今は私自身が春人さんのことを知りたいと思う気持ちがあって・・・。春人さんの顔見て余計にそう思うんです。こんな優しそうな人が、藤代先生を恨んだり憎んだりするはずないって・・・」
くみこの母は真奈美をじっと見つめて黙って聞いていた。
沈黙が重く圧し掛かる。
くみこの母は、自分の話を聞こうとしてくれている。真奈美は確信して口を開いた。
「藤代紘季先生です」
くみこの母は、やはりと言った風に頷いた。
「そうね。あなたも、紘季くんに教えてもらってるんだものね・・・」
くみこの母は急に表情を曇らせて春人の写真に目を移した。
何枚かページをめくる。
春人と紘季が二人で移っている写真がそこにあった。
二人とも笑顔でこちらを向いている。紘季の屈託のない笑顔に、真奈美は心が痛くなった。
「私・・・春人さんはきっと悲しむと思うんです」
思い切って真奈美は切り出した。手をぎゅっと握る。
「え・・・?」
くみこの母が顔を上げて真奈美を見つめた。
「今の藤代先生を見たら、きっと悲しむと思います。春人さんは、苦しみながら生きている先生を見て喜ぶような人じゃないって思うんです」
くみこの母の眼差しが、途端に力を帯びた気がして、真奈美はドキっとした。
「すみません・・・良く知りもしない私がこんなこと言って・・・」
戸惑ったが、ここでやめるわけにはいかない。目を瞑って言葉を探す。真奈美は言いたいことがまとまらず、もどかしかった。そっと目を開く。
「・・・私、最初は先生のためにここに来ようって思いました。辻村さん家族に、わかってもらいたいと思ってました。でも、今は私自身が春人さんのことを知りたいと思う気持ちがあって・・・。春人さんの顔見て余計にそう思うんです。こんな優しそうな人が、藤代先生を恨んだり憎んだりするはずないって・・・」
くみこの母は真奈美をじっと見つめて黙って聞いていた。
沈黙が重く圧し掛かる。

