ハイスクールラブ

真奈美が手を振って重田に声をかける。
重田が驚いた顔をしたあと、なんとなく気まずいといった表情をしたが、すぐににこりと笑って言った。

「ああ・・・真奈美ちゃん、こんばんは」

「何、お前、仲良くなったの？あの子と。」

茶髪の男が重田に声をかける。

「んあー？ちげーよ。アレだよ。紘季んとこの、生徒？前に、ホラ。」

茶髪の男は、あーと言って少し笑った。

「あ、真奈美ちゃん、この人、僕たちの友達の武石くん。たけちゃんね。」

誰が武ちゃんだ、と言って重田を小突いた。
真奈美はどうも、真奈美ですと言って軽くお辞儀をした。

「座ったら。紘季ももうすぐ来ると思うけど。」

武石はそう言って真奈美に二人の間に座るよう促した。

真奈美が失礼しますと言って座った時だった。

「！！」

二人が驚いて真奈美を見る。

「・・・・え？」
「真奈美ちゃん、その香水・・・」

重田が表情を固くして言った。

「香水？ああ、さっきお姉ちゃんからもらって早速つけてみたんだけど・・・。つけすぎ？くさい？」

「いや・・・そうじゃないんだけど・・・」

二人の表情が強張っている。

「どうする、紘季、もう来るぞ」

武石が重田に言う。

「もう来たけど」

三人が一斉に上を見上げる。紘季が立っていた。