龍と語る者たち 〜龍と姫君〜

「リティア様、長い間、何も教えなかった事をお許し下さい……」

ジンは申し訳なさそうに、頭を下げた。


「気にしないで。何となくだけど、私自身、一般的ではないと思ってたから」

リティアは笑って答えた。

「だって、ジンはいっつも私を"様"ってつけるし、どこか一線を引いてるっていうか……。それに、妙に森に行くのを禁じるし?」


「いくらクリミアテス国が無くなったと言っても、アナタが我々の王であり、護らなければならない存在ですから」

ジンも笑った。
近くにいた緋龍は、ウトウトしている。




「護る……か。だからなの?森は危険だから、入らない方が……」

「……危険ではありません」


そうだ、と肯定されると考えていたリティアは、不思議そうにジンを見た。

「違うの?」

「えぇ。この森には緋龍がいます。ですから、ここ以上に安全な場所は、そう簡単には見つけられません。
私がここに来る事を禁じたのは、あなたが、"竜王"だからです」