2回も続けて嫌な夢見た。

なんだか寝た気がしないけど、これ以上ベッドの中でまどろむ気にもなれず、リビングへ下りて行くとそこには昨夜のようにお兄ちゃんと来栖さんが座っていた。

来栖さんと目が合い戸惑いを隠せずに自室へ逃げ出そうと踵を返したものの、すぐに来栖さんによって捕まえられてしまった。

「澪ちゃん。少し話をしたいんだ」
「……」
「さっき言ったことだけど、俺は本気だよ」
「私は、お兄ちゃんがいてくれたらいいの」

現在、お兄ちゃんとどんな状況にあるかととかそんな事は全然関係なくて、ただ来栖さんの言葉を聞きたくなくて早口でそう口走った。
もちろんいつもの私なら尚更そう答えていただろう。

「…お兄ちゃんね。それでいつまでお兄ちゃんにくっついてるつもり?」
「そんな事…」

怒ったような口調とは裏腹に、来栖さんの顔には感情が見られない。

どうして来栖さんはさっきから感情を顔に出さないんだろう。


なんにしてもその感情のない顔で私を見るのはやめてほしい。
そんな顔で見られるとすごく落ち着かない気持ちになる。