「…この1週間の事は本当に悪かったと思ってる。でもこれがお互いの為だと思ったんだ」
「……」
「…もう少し寝てろ。まだ6時だから」

無言のまま小さく頷くと、お兄ちゃんが私の頭をさらりと撫でて部屋から出て行った。

閉じたドアを見つめてお兄ちゃんの言ったことを反復してみる。
でもすぐにお兄ちゃんの謝罪よりも来栖さんの顔がチラついて集中できない。

『好きだよ』

その言葉が耳について放れない。
どうして…?

いくら考えても答えを導き出せそうにない。

こんな時はなにも考えずに眠ってしまうのが一番だ。
とにかくなにも考えたくないというのが本音。
私はもう一度ベッドの中へともぐり込み、再び眠りに落ちた。