「どした?」 「私、不器用だから…細かいとこをペンでなぞったりするの苦手で」 エヘヘッと笑う杉浦に、俺はドキドキしていた。 「貸してみ?」 俺は杉浦の隣りへ行き、彼女の手からペンを取った。 手先は器用な俺だから、こんなのは得意だ。 「…へぇ〜…大ちゃん器用だね」 顔の近くで、彼女が俺の手先を集中して見ながら言った。 「手先だけは器用なんだ」 自分の気持ちを伝えるのは、誰よりも不器用だか…