「入社したら、もう今みたいに逢えなくなるよね…」

ホテルで迎える朝。
彼の腕枕の中。
ずっと気になっていた事。私から聞いてみた。


「…そりゃま、堂々とは、な。でもうちん中とかで逢ったらええやん」


そっか………。
そうだよね。でも街を並んで歩くなんてこともう出来ないんだ……。



今更ながら落ち込む。



「別に逢えへんようなるわけちゃうやろ。そんな顔すんな」
言いながら、抱きしめる。

会社ではきっと毎日の様に逢える。でも物足りない。逢えるのに、玄さんに触れられないなんて。



我慢できるのかな。




欲張りだな、私。



再び彼と重なりながら、こんな事を考えていた。



「…っんん…玄さぁ…ん」しがみつく。キスをする。


自信、ないかも。