―そんなある日。


せっかく店に来てくれたのに、他のテーブルに着いていた私はすぐに彼の傍に行けなかった。当然、他のコが彼に着いた。

私以外の女のコと仲良さげに話してるのが見えた。

彼の腕がそのコの肩にまわされる。
女のコの手が彼の腿に乗る。


嫌だ。

嫌。

彼の笑顔。
いつも私に、私だけに向けられている笑顔。

それが今、私以外のコに向けられている事が、堪らなく私を不安にさせた。


何処にも行き場のない苛立ちと共に。