23時の情熱

テレビは年末の特番ばかり。街も新しい年を迎える準備に慌ただしい。

明日は元日。


玄さんが年越しそばを作ってくれた。夕方お粥を食べ、買って来てくれた薬を飲むと随分楽になった気がした。


「初詣は瞳子の風邪が治ってからやな」


玄さんがベッド脇で私の手を握ってくれている。
横になったまま小さく頷いた。
薬が効いてきたのか瞼が重い。


…駄目。
眠っちゃ駄目。
玄さんと一緒にカウントダウンするんだから。



寝ちゃ駄目だって……。


玄さんの手の温もりが心地よくて落ち着く。傍にいるという安心感から………やがて私は眠りに落ちた。