彼も顔を近づけ、声をひそめて私に耳打ちする。

「ナイショて…いつもなら幾つて答えんねん」



「……18」


きょとんとした顔で私の目をジッと見つめ、彼は破顔した。


そしてまた声を落として、
「たいして違わへんやん。それにおまえ十代はあかんやろぉ〜!」


「あーひっどぉい」

私もつられて笑った。



初めて見る彼の笑顔。




彼の名刺には「新山玄竜」(ニイヤマゲンリュウ)
とあった。