初めて見た彼は、ガッシリとした体格に濃いグレーの上質そうなスーツを慣れた感じで着こなしていた。

背も180はありそうな長身で、肩幅の広さや大きな背中を、何故か私は目で追っていた。


中でも一番私を惹き付けたのは、彼の一際大きな声と関西弁だった。



ヘルプに呼ばれ、彼らのテーブルに着いた私は、彼の隣に座った。

「ありさです。宜しくお願いしま〜す」