「うん。待ってる。お土産期待してるね」



「めっちゃデカいマーライオンのキーホルダーやねんけど、日本語喋んねんで。凄ないか?」


「うっそ!日本語喋んの?!」




すると通話口から笑い声が聴こえてきた。
「アホ。喋るワケあらへんやろ。それも日本語て」




…………ムカッ。何それ?


「あーおもろ。はよ帰ってまた瞳子のムカついとる顔見たなったわ」





「…でっかいマーライオンね。わかった。楽しみにしてる」



彼の心地いい憎まれ口を聴きながら、奥さんにも電話したのだろうかなどと考えていた。