「海外出張?」


「ああ。台湾とシンガポールに2週間な」


玄さんからその話を聞いたのは、12月に入ってすぐの事だった。
久しぶりのラブホテル。
ベッドの中で煙草を吹かしながら玄さんが切り出した。


「……いつから?」

「月曜。お土産何がエエ?」

「………そっか」
玄さんは笑っていたが、私は寂しさが顔に出た。


「…そんな寂しそうな顔すんなや。連れて行きたなるやろ」


「だって2週間なんて長いよ……」

まだ長い煙草を揉み消し、背中越しに私を抱きしめる。

「2週間なんてすぐやて。そやから今日は瞳子がもうエエて言うまでめいっぱい抱いとかんとな」
耳元で囁きながら片手は胸を包む様に優しく揉み、もう片方の手は太股を擦る。