二次会に行こうと盛り上がる男性陣と別れ、私は駅へ向かった。
新入社員達のグループは、上司達とは別々でカラオケになだれ込む気らしく、誘われたがとても歌う気にはなれずに断った。
一人地下鉄に揺られながら、玄さんの事を考えていた。
私を好きだと言ってくれた、玄さんの言葉は信じている。でも、口にはしないが家族を捨ててまで私と一緒になる気はないだろう。
もちろん出来る事ならそうして欲しい。奥さんと別れて欲しい。家族なんて捨てて、私を選んで欲しい。
「奥さんと別れて」
よく昼ドラであるような、そんな陳腐な台詞が頭に浮かんだ。
―――言えないよ。
―――言える訳ない。
―――もし言ったら、玄さんはどんな顔するのかな………?
新入社員達のグループは、上司達とは別々でカラオケになだれ込む気らしく、誘われたがとても歌う気にはなれずに断った。
一人地下鉄に揺られながら、玄さんの事を考えていた。
私を好きだと言ってくれた、玄さんの言葉は信じている。でも、口にはしないが家族を捨ててまで私と一緒になる気はないだろう。
もちろん出来る事ならそうして欲しい。奥さんと別れて欲しい。家族なんて捨てて、私を選んで欲しい。
「奥さんと別れて」
よく昼ドラであるような、そんな陳腐な台詞が頭に浮かんだ。
―――言えないよ。
―――言える訳ない。
―――もし言ったら、玄さんはどんな顔するのかな………?
