私が動かなかったせいで寝てしまったと思ったのだろう。 名前を言い間違えたことに気付かれなかったと安心したのか、ベッドから静かに抜け出し、タバコに火を着ける気配を背中越しに感じた。 目頭が熱を持つ。 ひどい。 幸せに浸っていた。 玄さんの愛情を全身で受け、その余韻に浸りきっていた。 ………そんな時に。 どうしてこんなタイミング。 私は寝ていた。 眠っていて気づいてない。 ………そういう事にしたかったのに、堪えきれずにとうとう、涙が溢れた。