「太ったんちゃうか?」




玄さんの第一声。


「…たった5日でそんな太る訳ないでしょ!」

思いっきり睨んで背中を叩いてやる。

「〜っ痛ぇ!」


まったく、久しぶりに会っていきなりそれ?!







今日は仕事が終わると私の部屋まで来てくれた。


先に帰っていた私は、大急ぎで晩御飯を準備して彼を待った。


部屋に上がるなり、これだ。

玄さんは笑いながら紙袋を差し出す。



「冗談冗談。ほれ、お土産」


「……あ」

「瞳子の好きそうな甘いモン。俺は食わへんけど一人で食って今度はホンマに太んなよ」


「そんなに私太らせたいの?……でもありがと」
苦笑しながら受け取った。



いつもと同じ玄さんに、少しホッとした。