ようやく彼のテーブルに移った私に、
「遅かったやんか。めっちゃ呑まされたで」
とおどけてみせる彼。

きっと不機嫌さが露骨に顔に出ていたのだろう、彼は私の顔を覗き込む。


「どないしてん。カネゴンみたいな顔してんで」


…カネゴン…


「何それ。わかんない。歳の差感じる。」

皮肉を言ったつもりだった。