「は、はいっ!!」
僕はその言葉で我に返ると、急いで教室に入った。
一部始終を見ていたクラスのみんなの視線を感じる。
先生は恐らく気づいてないんやろう、全く気にも止めずに授業を始めた。
僕が自分の席に座ると後ろの奴が小さな声で話しかけてきた。
「お前、新垣に目を付けられたらヤバいで。気をつけや。」
わかってるって。いちいち言わんでも。
全く、他人事やと思ってなあ~。
…でもさっきはほんまにヤバかったわ。
もう少し休み時間が残ってたら今頃、どっかに連れ出されてボコられてるに違いない。
そうなる日もさほど遠ないなあ。
…勘弁してほしい。
これからいつ襲われるかビビりながら過ごすんか?
それにしても新垣の奴、意外と振られた事気にしてたんやなあ。
何で自分があかんくて、明らかに劣ってる僕がええねんって腹立つんやろう。
それは周りのみんなも同じ事思うか。
僕自身がそう思ってるんやもんなあ。

