「何たぶらかしたんか知らんけどな、藤田ちゃんの相手がお前やなんて絶対認めへんぞ。」
新垣は激しく詰め寄った。
その時救いのチャイムが鳴った。
「おーい、お前らいつまでも溜まっとらんと、授業始まるから教室戻れー!」
遠くから先生の声が聞こえた。
周りで僕らを見てた生徒らが教室に入っていく。
「チッ。」
新垣は舌打ちした。
「ホンマにお前、絶対に許さんからな。」
吐き捨てるように言うと、仲間と共にその場を離れた。
一気に力が抜けるのを感じた。
…助かった~。
大きく息を吐くと廊下の壁にもたれかかった。
「おい浅井。聞こえんかったんか。教室に入れって。」
先生が教室の入り口に立って僕を呼んだ。

