もうすぐ昼休みが終わる。
トイレに行こうと教室を出ると、他のクラスの生徒が数人騒いでいた。
「おっ!!D組、次プールやん!」
「藤田ちゃん、おった!!水着姿たまらんな~!」
何!!水着やと!?
僕がとっさに顔を上げると向こうの集団は俺の方を見てニヤニヤしている。
「何や、文句あるんか。」
集団の一人が僕に突っかかって来た。
アイツは確か、E組の新垣。
クラスが違うが素行が悪いので有名だ。
いつも仲間数人で行動している。
入学式終わって、いきなり藤田さんに近づいた奴らの一人である。
あっさり振られたらしいが、グループ内で誰が藤田さんをオトせるか賭けをしていたって噂もあった。
「アイツ、めっさ睨んでくるわ。こえーよ、なあ?」
新垣は僕を顎で指差した。
「早速、彼氏ヅラかあ?」
仲間の一人が笑いながらヤジってくる。

