あの日は放課後に残って図書室で勉強していた。
放課後の図書室はほとんど人がいーひんから静かで集中出来るんや。
図書室が閉められるギリギリまで残っとった。
図書委員に声をかけられて、追い出されるように出て行こうとしてたら、
目に留まってん。
赤い定期入れが落ちとった。
おもむろに拾って定期券の名前を見たら、
「!!」
そう、彼女の名前が書かれてた。
しかも職員室に届けに行ったら、
「あ!藤田ならさっき出たとこや!追いかけたら間に合うわ!」
なんと、先生に無理矢理走らされ追いかけるハメになった。
それが彼女と話すきっかけになるんやけどな。

