「何で泣いてるんだよ…?」

「……っ分かんねえっ…よ」

そう呟いた瞬間、唇に熱が加わった。

そしてすぐに元の温度へと変わる。

たった一瞬の出来事。

あたし………、キスされた?


「分かんないならこれから気づけ。今日からお前と俺は恋人。おっけ?」


いつにもまして真剣に言う川崎がいたから思わず肯いた。

「よし、じゃあもう泣くなっ」

そういってあたしの髪をクシャッとする川崎。

やっぱそれはむかつく!何でお前が上目線なんだよっ


「泣いてねえしっ!ふざけんなっ!」



あたしが川崎を好き?はんっ!ふざけんなっ!

当分は気付いてなんかやらねえからなっ!!

でも、…素直になれたら……、

ちゃんと言ってやるよ。  “「好き」”だって。


* END *