「久しぶり…元気だった?」

「あぁ。」

「帰省してきたの?」

「うん。もう夏休み始まったからさ。
制服着てるってことは、李枝のところはまだ休み始まってないの?」

「ううん。今日が終業式だったから、もう休み」

「そっか」

「うん…じゃああたし、帰るね」



あたしは拓斗に背を向け、帰ろうとした。


――だけど


「待って!」


拓斗に腕をつかまれ、あたしの足は止まった。