家についたとたんに、携帯が鳴った…




この番号、前にも何回か、着信があった番号だ。



「もしもし……あの…前にも何回か、かけてますよね」




「もしもし……亜紀さん………電話かけてごめんなさい……上田です」



奧さんの声を聞くのは、1年ぶりだぁ。
どうしたんだろう??




「あっっお久しぶりです。奧さんですよね……」




普通の人からすれば、おかしいと思うのかもしれない……




直樹の最後の顔を見れたのは、奧さんじゃあなく、私なのだから……



世間では考えられない。




直樹と二人きりにしてくれて、奧さんには感謝をしている………



子供もいるのに、私に、直樹を会わせてくれた。


「あの……亜紀さん、色々迷惑でしょうが、どうしても亜紀さんに伝えたくて……私たちはもうすぐ、田舎に帰ります。その前に亜紀さんに、見てほしいものがあるんです。すみません」