奥さんがこっちに向かってくる………




「主人は意識がありません」




「ただ、少し、多分無意識に目をあけたり、一瞬ですが、名前を呼んだり……」


奧さんはそういうと、また泣き出してしまった




私は立ちすくんでいた…




心の中でごめんなさいって何回も叫んだ




「あなたが……あなたが……亜紀さんですよね……」



私の事しってるの?




「はい、そうです。こんな所まで押しかけて、本当にすみません……」




「もう帰りますから……」



「あの人の顔をみてあげてください…あなたの名前を亜紀さんの名前を……亜紀さんの事を探してます…事故にあってすぐに、亜紀さんの名前を呼んだんです……………」





直樹、言葉がないよ




直樹、私はいつも……




直樹のそばにいるよ……