気がつくと、僕は母の墓前に座りこんでいた。

僕の手の中には、水に濡れた花があった。

オフィーリアの身体に絡みついていた、あの花だろうか。

僕は、その花を母の墓に供えて手を合わせた。

「母さんが、『幻想美術館』に僕を連れてきたんだね。」

僕がそう言うと、暖かい風がやさしく包みこんでくれた。