すると、どうだろう。

蛇は、僕の首を絞めるのをやめ、その音のする方へ這っていくではないか。

そこには、ルッソーの『蛇使い』という絵があった。

満月をバックに、黒い肌をした長い髪の男が笛を吹いていた。

南国のような、その風景に、僕は見たことのない楽園を連想した。

神秘的なその絵に目を奪われていると、ふいに低い男の声がした。