「戻ってきちゃったんだ…」

僕はガックリと肩を落とすと、目の前の絵をにらみつけた。

『散歩:日傘をさす女』という題名の絵の中には、優雅な貴婦人が光の中に立っていた。

その絵の隣には、『ルーアン大聖堂』という絵があった。

なるほど。僕は、隣の絵の中にワープしたらしい。

それにしても、あの神父さんは、今どうしているんだろうか。

もし、現実に存在している人だったら、僕が急に消えてしまったので、腰を抜かしているかもしれなかった。