僕の周りの景色が、だんだんと紅く染まっていった。

道路も、レンガ造りの家も、木々も…みんな全て、血で染めあげられていく。

人々の叫びも、逃げまどう足音も、何も聞こえなくなった。

聞こえるのは、僕の鼓動だけ…

僕は、誰もいない真っ紅な世界にいた。

血の海の中に立ちつくしている僕は、心をもぎ取られたように虚ろな目つきをしていた。