「失礼します」



菜美は、理帆子の手を強く握って順子の後に続いた。



理帆子の震えが、その手から伝わってくる。



「―――それで、お話しというのは?」



菜美の前にお茶を出してから、順子は口を開いた。



「理帆子ちゃんの、この頬のことなんです」



と、菜美は隣で小さくなっている理帆子を見た。



順子の顔色が変わる。



「本人はこけた時に打ったというんですけど・・・」



菜美の言葉に頷きながら、



「そういえば、そんなこと言ってたわ」



「でも・・・これは明らかに違うと思うんです」



「えっ」