「……あたし…どうしたらいいの……?」
あまりの出来事に地面に座りこんでしまった美倉がようやく気持ちを言葉に出した。

車内にいる人たちの視線をこの時は多く感じた。


1秒の沈黙がとても長い…









そして背が高く派手な格好の男が車内の空気を変えた…


「…おいっ!何してんだよっ…!探すぞっ…!!………ほらっ!立てよ…!!」
男は美倉の腕を掴んで上へ引っ張る。

「…頼むから…!」

だが美倉の体はなかなか動くことなく、いかにも力が抜けているようにしか見えなかった。



「……くそっ!!死んでもいいのかよ…!?」

美倉以外の人たちはその言葉にビクンと反応すると、すぐに捜索を開始したが、美倉は『死』という言葉にさらに恐怖を感じ、未だ体の麻痺は解けず、ずっと黙りこんでいるままであった。




嫌だっ…!死にたくない!!…お父さん!!お母さん!助けて…!!

心の中で何度もそのように泣きじゃくる…



電光掲示板には『TimeLimit 85:14』と書かれていた…。