「おいっ!おやじ!!」


左藤が叫んでも江口の決意は変わってなかった…




江口は手を離した…





彼の体が自分たちの足元をものすごい速さで通り、鈍い音が最後に聞こえた…


ラインの目から涙が溢れた…


最初は何てマナーのない奴だと思ったが…

あんたを助けられなくて本当に悪かった…



…最後に言った言葉、絶対伝えてやる…!


俺が死んだとしても、この中で生き残る奴に伝えてもらう…!


そしてその悲しみは今までの中で最高潮に達した…
「………くそぉぉおおーっ!!!!」
無力な自分が憎かった…

この悲しみを何にぶつけたらいいのかも分からない……


この時間が一番辛かった…









「…間もなく石岡、石岡です…トラップにお気をつけください…」


もうこれ以上は無理だ…

あと1駅過ぎたら…





やめるかな……




ラインは複雑な気持ちだった…