アナウンスは冷静な声でそのまま話を続けた。
「…今から5分後、電車は発車し、皆様がおられる座席や床はその1分後に自動的に取り外されます。そして皆様には吊り革にぶらさがっていただき、最後の一人になるまで続けていただきます…」

「いい加減にしろ!こんな馬鹿な話に付き合ってられっか!」

男性はドアに駆け寄り こじ開けようとした…その時だった…!


バチンッ!!


「…痛てぇ!!」
「みっくん!?みっくん!!」

ビリビリという音と共に男性は倒れこんだ。男性はなんとか起き上がってドアから離れた。

「みっくん!大丈夫なの!?」
「あぁ、アヤ…大丈夫だ……くそっ…ふざけるなよ……どうなってやがる…」
誰もが、これは冗談ではないことを悟る。

アナウンスは続く。
「…もしまた同じような行為をした場合は、さらに強力な電気が流れますのでご了承ください。またゲーム中は鉄棒にも電気が流れます。誤って触れないようご注意ください。携帯電話は電波を遮断させていただいていますので、ご利用できません…」


乗客全員不安の色を隠せない。ざわめきと赤ちゃんの泣き声があたりに響く。