解体道具としてあったのは、ペンチとドライバー、そしてテープであった。
「…コードは6本か……」「…この内の爆破コード1本が当たる確率は6分の1……くそっ!分からねぇ…!」
爆弾はそれぞれ爆破コードが1本ずつ決められている。そのため他の爆弾の爆破コードを知らない限り、選んだ色のコードで爆発しないとは言えない。

ピンポーン…
「…只今より2両目で爆発致しました爆破コードのヒントを出します。電光掲示板をご覧ください。また今お持ちの爆弾の爆破コードの色のヒントは、爆弾の中にあるメモをご覧ください…」

「……怖いよ…」木ノ本が震えながら言った。



沈黙が続く……



「……あっ!なんか表示された…」

そこには…
「……2…2…1…まる3…2…2………どういうことだろう…?」眞加辺が言う。

そう…そこには『221③22』とだけ書かれていた。

「………なんだろう『まる3』って…」美倉が考える。
「…まずこの数字はどういう意味を持っているのかを知りてぇな…」柄本が言った。

「…なぁ…とりあえず…爆弾を開けてみないか…?」突然後ろから男性が、なぜか微笑みながら声をかけてきた。

気持ち悪い…
美倉は心の中でつぶやいた。

歯はボロボロ…顔は青白く、髪はボサボサで所々むしった後が見られた…。頬もこけており、相当やつれている感じであった。

「……ふふふ…懐かしいな…。」
「…おっ…お前は…!!」さらにもう一人トレンチコートを着た男性が彼を見て驚いた。
「…その節はどうも……。」
「…一体この人は…?」大原が問い掛けた。
「…こいつは5年前俺が担当した事件の犯人だ…!」
「…なに!?」
「…永沼!!お前こんな所で何してんだっ!!」

永沼 尋毅(ながぬま ひろき)。彼はかつて時限爆弾を用意して警察を脅したことがあった。その時は爆弾処理班に長いことかけて作った爆弾を解除され、あえなく逮捕となった。しかもその時、今3両目にいる松川に解除されたのだった…。
先程3両目を覗いたとき松川の姿を発見し、過去のその事件が一気に思い巡らされた…永沼にとってそれは屈辱だったのだ…。