急いで自分の席に戻ると、お客さんは外の景色を見ながらニコニコしていた。

よかった…まだ機嫌はいいままだ…。


「遅かったね〜。ん?メガネしてたっけ?」

「遅くなってスミマセン社長…コンタクトが合わな……」


お客さんの問いに、待ってましたと言わんばかりに、決め台詞を言おうとした時、お客さんの顔の斜め後ろに知美ちゃんが見えた。


近いだろ…
他に席あるだろ……


そう思って近くに居た店員を睨む。
…あなたに罪は無いが…。

俺が睨みを効かしていると、後ろから別の店員がそっと料理を置いてくれた。


ナイスタイミング!


あんたいい店員だよ〜


「さぁさぁ!冷めない内に食べましょう!社長!雰囲気もいいですが、料理も旨いんですよ〜。」


「…ん?そうか?どれ頂くとしよう。」