「零児どうしたんだよ」
仁が必死に追いかけてくる。
でも俺は無視して歩き続けた。
「零児たら」
ついに仁が俺の腕を掴んで動かないようにした。
「なんでいきなりキレたんだよ?
いつもの零児らしくないよ」
俺はまだなにも言わないと言うより仁が俺の事を零児って呼んでるのが気になった。
「なんとか言えよ」
ついに仁が怒鳴り始めた。
俺は渋々声を出す。
「別になんもないよ」
自分でもびっくりするくらい落ち着いた声だった
それを聞いて仁の顔もだんだん穏やかになって行く
「あれ?
もうキレてないのかよ」
仁が気が抜けた声で言った。
「大丈夫だよ
さっきはごめんな」
俺は笑っていた。
それを見て仁も笑った。
「びっくりさせんなよ
マジで驚いた
俺なんかしたかと思ったじゃんか」
「悪い悪い」
俺らは馬鹿みたいに笑っていた。

