五日間経てば良くなるんですか。
「ああ、私が五日後に迎えに来るから、そしたら楽になれると思うよ」

 迎えに来る、一体何を言っているんですか。

「いや、本来なら今仕事をすべきなのだが、いろいろと組合がうるさくてね、今は仕事するわけには行かないのですよ、痛いでしょうけれど、私のバカンスが終わるまで待っていてくれたまえ」

 俺はその時気がついた、こいつ医者じゃない。

 白い清潔な服の変わりに、不吉な黒いマントを頭から被り、手には大きな鎌を持っているじゃないか。

 お、お前は誰だ。
「ああ、私ですか、君担当の死神ですよ」
 し、しにがみ、俺が思ったのと同時に、その死神はすぅっと消えた。
 俺はそれから、五日間地獄の苦しみに耐え、そして、この世を去る事になるのだが、その間ずっと後悔し続けた。

 ああ、やはり自殺なんてするもんじゃないなと。