――それから、初めて健人は聖美のお墓を訪ねた。


「……聖美、ごめんな。長い間、心配かけて」


健人は折り紙のユリの花を置いた。

「幸せになるよ。情けない男は卒業する」


その時、風が吹いた。
優しい風だった。


「ありがとう、聖美。
君と付き合えて本当に幸せだった」


空を見ると、聖美が微笑んでいる様に見えた。



~fin~