―眼を覚ますと、天井は自分のアパートだった。



(――また、夢か…)



缶ビールが転がっていた。


顔を洗い、健人は家を出た。


(―確か14時の電車で彼女とすれ違ったんだ。)


健人はいつも乗る駅の一つ先まで歩き、逆の電車に乗った。

多分、真ん中位に乗っていたはずだ。


また会えるとは限らないが、健人は電車に乗り、彼女を探した。


しかし、その日は何度探しても見つけられなかった。