それから二人は表面上は同じように接していたが、健人は彼女との接し方が分からずにいた。

「ねえ、次の土曜日またあの菜の花畑に行かない？天気も良いみたいだし」

「…あ、ごめん。土曜部活なんだ」

(ごめん、実はまだあそこに行く勇気持てない…)


土曜日、健人は中学の時の友人とカラオケに行った。

「よし！ゲーセン行こうぜ」
歩いている途中、聖美と会ってしまった。

「…あ…」

聖美は健人を見ると、にっこり笑い、
「あら、健人。これって新しい部活？」
と言い、平手打ちをされた。

「百瀬って、あんな怖かったっけ…」

中学の友人が呟いた。

「聖美！待てよ！ごめん！」

聖美は構わず歩いて行った。

「聖美！違うんだ。おい、待てよ！」

健人が走って追いかけると、聖美は泣いていた。



「聖美…」