「ここ…?」 「きっと聖美、気に入るだろうと思って」 聖美は黙って景色を見ていた。 ここは一面、菜の花で埋めつくされていた。 健人は偶然見つけて、満開になった頃を見計らって、聖美を連れてきた。 聖美はまだずっと菜の花畑を見つめていた。 「聖美?」 一瞬、泣いている様に見えた。 「ありがとう。この景色、一生忘れない」 すぐに笑顔になった。