地区大会は決勝まで進んだが、惜しくも、決勝で負けてしまった。

「頑張ったね、健人君。今までで最高の順位だったって」

「でも、負けは負けだよ。どんなに惜しくても」
健人はこんな悔しい思いをしてサッカー部を卒業なんて考えたくなかった。
「高校でも続けて、絶対優勝してやるんだ」
聖美は微笑みながらその話を聞いていた。


最近、聖美は女らしくなってきていた。
胸も膨らんできているような気がする。

聖美がかがむと、シャツの中から胸の谷間が見えそうになるのを慌てて目線を外した。

「どうしたの?」


「―え、あ…そのワイシャツ、ボタン開けすぎじゃね?」

「え?別に、みんなと同じじゃない。」
「もう一つ閉めろよ。」
「何なのよ。親みたい」

健人は真っ赤になっているのを隠すため、俯いた。