Bizarre Witch~猟奇的な魔女~

「そういえば逸れちゃったわよね」


アメリア得意の唐突な話の切り出しに俺は大いに戸惑った。


「一体何の話ですか?」


「何って、どうして私があなたが出してくれたお茶を飲めなかったかって話よ」


俺は一瞬の戸惑いを置いてから思い出した。


確かに昨夜、俺はそうアメリアに質問したのだが、話の筋が大きく湾曲して結局うやむやになったんだ。


「あぁ、そういえば」


俺はようやく思い出しそう言った。


「確か私が虚像だっていうことは話したわよね?」


「はい」


「だからよ」


全然情報増えてねーし。


「だから?」


俺はオウム返しに聞き返す。


「だからって、だからなのよ。私が虚像だからなのよ」


だからっ、全然情報が増えてませんからっ。


俺はいい加減じれったくなり、言った。


「だからどうして虚像だからって麦茶が飲めないんですか?まさかアメリアさんが映像だとでも言うんですか?」


「うんっ、ビンゴッ」


と満面の笑みでそう言うので俺は更に戸惑った。