「そうよ。うれしい?」


アメリアが不敵な笑みを浮かべる。


それは冗談だろうか?


俺はそれに返事もせずに、もう一度布団を被る。


どうやらアメリアは俺の命が目的ではないよだ。もしそうなら俺が寝ている間に殺れたはずだ。じゃあ一体なんだ?まさか本当に俺を悪魔から護るためにいるのか?


その時だった。


「ちょっとー。今日も学校でしょう?早く起きなー」


と、母さんがノックもせずに部屋のドアを開けた音がしたとき、なんだか俺の人生が終わりを告げてしまいそうな予感がして再びベッドから飛び起きた。


朝から激しい起き上がり運動は堪える。


そんな事よりもアメリアを見られたら事だ。


しかし時既に遅しだ。


部屋のドアは全開。


俺のベッドとドアの線上の真ん中にアメリアがいるのだ。


「……あ、いや、この人はちょっと。なんか、ね」


俺は母さんが何かを言い出す前に真っ当な言い訳を言おうとしたが、勿論俺にそんなボキャブラリーが無いことは周知の事実だ。


「今日の予備校は?あっ、今日木曜か。午前中は無いんだったね。授業」


全く母さんが言っていることが分からなかった。