「で?早速なんだけど、ここ最近アンタの身の回りでなにか変わったことは無かった?」


と唐突に話を切り出すアメリア。


俺は正座して頭を垂れていた。視覚だけでも現実逃避をしたい気持ちだったのだ。


「アメリアさんが現れた」


言った直後に後悔した。


やばい、ついありのままの本音を言ってしまった。


ますます深く頭を垂れる。


最早謝る勇気も無い。


謝ったら……なんか……殺される。うん。間違いない。


「まぁ。そうね。あなた方人間にしてみれば、私みたいな存在は信じられないわよね」


おっと、想定外。


アメリアは予想に反して穏やかな口調で同意してくれた。


面食らった俺は視線をアメリアに向けた、その時だった。またしても想定外、いや、予想外の光景があった。


アメリアはソファーに毅然とした様子で座り、俺はアメリアの正面、座布団の上に正座しているためにアメリアより一段目線が低いわけで。


その……。


しかもアメリアはまるでベルトと見まごう程のミニなスカートを穿いてるわけで。


その上、堂々と足を組んじゃってるわけで。


どのくらいだっただろう。そこに目線を奪われていたのは。


1秒?5秒?俺はその僅か数秒前の記憶が飛ぶほどに動揺してしまっていた。首をコキコキ、視線をフワフワさせて、さぞかし奇妙なものだったろう。