「あっ、薫!ちょっとだけ待っててくれる?」 私は視界に入った自販機を目指して、階段を掛け降りていった。 整然と並んだパックジュース。 100円玉を投入し、迷わずボタンを押した。 ――トンッ。 受け取り口から出てきた二本のパックジュースとお金を握り締め、今度は一段抜かしで階段を上った。 「ハァ…ハァ…はい、これ!」 薫が大好きなイチゴ・オレを手渡した。 「ありがとう!」 私の手にはカフェ・オレ。