「菜摘、食欲ないの?ちゃんと食べないと夏バテするわよ!」 「食べてるよ。でも、暑くて食欲がないだけ」 テーブルに並べられた色とりどりのおかずに、なかなか箸が進まない。 さっきからグラスに注がれた麦茶ばかり飲んでいる。 「姉ちゃん、痩せようと思っても今さら無理だせ!」 「バーカ!痩せようなんて思ってないから」 大貴の突っ込みを軽く躱したけれど、確かにここんところ食欲がなかった。 食欲だけでなく、気持ちもまったく晴れなかった。