オフサイド

薫に仕組まれたデート。
いきなり、二人きりにされても困るよ。


慌てる私とは対照的に、やけに落ち着いている榊くん。


「あっ、そうだ!
今日、こんなとこに来てていいの?練習は?練習があったんじゃないの?」



榊くんと二人きりという想定外の出来事から回避しようと、あれこれ知恵を循らす。 


「練習は四時から」



「四時……。あっ、でも、他にやることとか、たくさんあるんじゃないの?」



「いや、別にないけど」



「………」



「それより、ここ人が多いから、さっさと移動した方がいいと思うけど。水族館でよかったんだよね?」 


「あっ、はい…。」



気を利かせたつもりなのかもしれない。


薫の計らいで、私たちは二人きりのデートをすることになった。