オフサイド

裕也の食事を見届け、廊下に置かれた配膳車に食器を片付けると、帰り支度を始めた。 


名残惜しいけれど、あまり遅くまではいられない。



ここから自宅まで、どんなに急いでも1時間はかかるから。


「そろそろ帰るね」



「待って!下まで送って行くよ」


「えっ!?大丈夫だよ。一人で帰れるよ」



「いいから、ちょっと待って! 悪いけど、そこの車椅子、こっちに持ってきてくれる?」


「車椅子!?乗れるの?」


「あぁ。ちょっと見ててよ」


器用にベッドから身体をスライドさせた裕也は、ストンと身体を車椅子に沈めた。 


「すごーい!」


「だろう?」